2024/09/27 23:20
ピアノ調律師として、来春でキャリア20年。ひとつの節目を迎えるような気持ちです。
調律師は技術職ですが、決して営業と無縁な訳ではありません。
調律の顧客からピアノの買い替えの相談をされたり、こちらから提案をしたり、指導者から生徒のピアノ選びのアドバイスを求められたりすることも、仕事の年数を重ねるにつれて増えてきたような感じがします。
習い始めの方から、アップライトからグランドへ買い替える経験者。
そしてピアノの先生のレッスン室や、演奏活動をするピアニストなど。
色々な方々のピアノ選びのお手伝いをさせて頂く中で感じることは、当たり前ですが【皆さまピアノ選びはとっても真剣】です。
楽器店のショールームで何時間も悩んだり、何か月も何年も理想のピアノとの出会いを夢見て、津々浦々の楽器店を探し回ったり。
カタログを比較したり、見知らぬ専門用語を調べたり、自分や家族にとって最良のピアノを購入することにはとっても真剣で、とても多くのエネルギーを注ぎ込みます。
その反面、無事にピアノが決まると、ピアノ椅子に対して向けられるエネルギーはもはや残っておらず、
「1番安いのでお願いします」だったり「椅子へのこだわりは無いので何でもいいです」などなどで、椅子に対しての意識や関心はとても低いように感じます。
ピアノとピアノ椅子の関係はとても密接で、演奏技術の習得にも、音色や表現力にもダイレクトに反映されます。
長時間ピアノに向かうピアニストや指導者は、もしかすると腰や肩などの身体への負担の意識も必要だったりするのかもしれません。
好みのレストランや喫茶店、洋菓子店を探したり、好みの硬さや形状の自分に合った枕を選ぶように。
自分の好みにぴったりのピアノ椅子を選ぶことも、調律師としてぜひお勧めしたい気持ちです。
千葉